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ロレックスは独自のRLXチタン素材を使用したディープシー チャレンジを発表した。
- 2025/11/28 (金) 12:47
ロレックスがヨットマスター 42をRLXチタンモデルとして発表!
この時計は直径が50mmもあり、基本的に一般人には身につけることができないような仕様だった。今日、また新たな時計がRLXの争奪戦に加わった。ロレックス ヨットマスター42である。チタン製のヨットマスターを目にしたのは、有名なセーリング選手であるベン・エインズリー卿の腕に装着されていたのが最後である。それは数年前のことで、彼が身につけていたのはストラップ付きのプロトタイプだった。
この新作は、スーパーコピー時計総チタン製のヨットマスター42だ。つまり、チタン製ケースとチタン製ブレスレットを持ち、ディープシー チャレンジと同じ仕様だ。審美性において、全体的なデザイン言語は最近リリースされたブラックセラクロムベゼルのYMでおなじみである。つまり、マットなセラミック製ベゼルのインサートを背景に、ブラックの数字が浮かび上がる、あの意匠である。しかし通常、ケース素材は貴金属であるところ、この時計はすべてチタンで作られているのだ。
チタン製のブレスレットは全面サテン仕上げで(でかした、ロレックス)、ブランド謹製の5mmのイージーリンク エクステンション機構による延長機能を内蔵している。
我々の考え
チタンモデルがもっと出てくる予感はしていたが、何年も先の話だとも思っていた。ディープシー チャレンジのわずか数カ月後に、2本目のチタン製ロレックスが登場するとは思いもよらなかったし、それがヨットマスターであるとも思っていなかった。しかし、プロトタイプが存在したことが知られていることを考えると、この時計が登場した今、予想できて当然だったとも思うのだ。
Rolex Yacht-Master
正直なところ、私にとっての魅力は、ロレックスがこれをチタン製ブレスレットに装着するという英断を下したことにある。オイスターフレックスに装着して終わりにするのは、あまりにも安直だっただろう。しかし、全面サテン仕上げのチタンブレスレットを選択したことで、ヨットマスターはツールウォッチのカテゴリーにしっかりと位置づけられ、私にとってこれまで以上の注目モデルに仕上がった。
オイスターフレックスにWG製のYM42を装着したことのある私にとって、このサイズ感はまったく怖くはないし、このブレスレットなら、さらに装着感が高いだろう。ハンズオン記事をお楽しみに。このモデルの軽さを早く実感したいものだ。
Rolex YM Titanium
基本情報
ブランド:ロレックス(Rolex)
モデル:ヨットマスター 42(Yacht-Master 42)
型番:226627
直径:42mm
ケース素材:RLXチタン
ダイヤルカラー:ブラック
インデックス:アプライドアワーマーカー
夜光:あり
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット:チタン製ブレスレット
Rolex Yacht-Master
ムーブメント情報
キャリバー:3235
機能:機能 時、分、秒、デイト
パワーリザーブ:70時間
巻き上げ方式:自動巻き
価格&発売時期
価格:167万900円(税込)
ロンジン レジェンドダイバーに39mm径モデルが新登場。
- 2008/09/04 (木) 18:10
ロンジン レジェンドダイバーのファンにビッグニュースだ。このブランドで長年親しまれてきた風格のあるダイバーズウォッチが、ケースを小型化してリモデルされた。39mm径になった2023年版レジェンドダイバーは、現在のテイストを反映したサイズに変更され、ブラックまたはブルーのラッカーダイヤルが用意された。また、スイスブランドらしく、ストラップかスティール製ブレスレットかを選べる。
どちらの色でも、厚さ12.7mm、ラグトゥラグが47mmで、直径39mmのステンレススティール(SS)製ケースを採用している。300m防水でSS製のクローズドケースバックを備え、ふたつのリューズがあり、ひとつは時刻合わせ用(現時点では日付なしのみ)、もうひとつは両方向回転式のインナーベゼルを操作するものとなっている。スーパーコピー時計2007年以来親しまれてきたレジェンドダイバーでありながら、最高の着用感を実現するためにリフレッシュされている。
ロンジンは新しいレジェンドダイバーに、COSC認定を取得したETAベースの最新ムーブメントL888.6を搭載した。これは、72時間のパワーリザーブとシリコン製ヒゲゼンマイを備えた自動巻きムーブメントだ。さらに、レジェンドダイバーは(記録を持っている人のために)ISO6425準拠のダイバーズウォッチでもある。
ブラックとブルーのどちらのダイヤルもSS製のフルテーパーブレスレットが付属するが、ブルーのバージョンには同色のナイロン製NATOストラップをオプションで付けることができ(NATOストラップは日本展開なし)、またブラックダイヤルのモデルにはヴィンテージスタイルのブラウンレザーストラップを付けることもできる。価格はストラップ付き、SS製ブレスレット付きがともに49万8300円(税込)となっている。
前述したようにレジェンドダイバーは2007年に発表され、当時としては斬新な“ニュー・ヴィンテージ”ムーブメントの最前線にロンジンを押し上げ、大成功を収めた。1959年のデザインをベースにしたレジェンドダイバーは、元々42mm径のスーパーコンプレッサースタイルのダイバーだった。
2023年、レジェンドダイバーはミッドセンチュリー期のデザインをより現代的なテイストに近づけるため、ひと回り小さく生まれ変わった。僕がおもしろいと思うのは(1950年代のオリジナルよりも現代版のほうが小さいというのはさておき)、パネライのような大型デザインが台頭してきた2007年にレジェンドダイバーが発売された時点で、すでに大衆の嗜好からすると少し小さかったということだ(ロンジンが36mm径のレジェンドダイバーを提供し続けていることも忘れてはならない)。
しかし、チューダー ブラックベイ フィフティ-エイトのような時計が商業的な成功を収めた後の時代において、39mmという大きさはまさにジャストサイズといえるだろう。また、ケース幅が3mm縮小した分、ラグトゥラグは42mmモデルよりも5mm以上短くなっている(52.4mmから47mmへ)。自分の手首にはちょっと大きすぎる……、としばしば指摘されていたこの時計にとって、この変更はこの美しいデザインをより多くの手首にフィットさせる秘策となるかもしれない。
つまり、シンプルで理解しやすく、そしてオリジナルから最高にエキサイティングな進化を遂げたヴィンテージ風ダイバーズウォッチだ。新しいサイジング、引き継がれたツールレベルのスペック、COSCクラスの計時、さまざまなオプションの搭載など、ロンジンは2023年の新作でも感動をもたらし続けている。レジェンドダイバーのデザインを高く評価しながらも、よりオーソドックスなミッドサイズを望んでいた人々にとって、オールドダイバーに新たなテイストを加えたこのモデルは非常に高い人気を得るだろう。
基本情報
ブランド: ロンジン(Longines)
モデル名: レジェンドダイバー
型番: L3.764.4.50.0(ブラックダイヤル、ストラップ付き)、L3.764.4.50.6(ブラックダイヤル、ブレスレット付き)、L3.764.4.90.2(ブルーダイヤル、ナイロンNATO付き※日本展開なし)、L3.764.4.90.6(ブルーダイヤル、ブレスレット付き)、
直径: 39mm
厚さ: 12.7mm
ケース素材: SS
文字盤色: ブルー、もしくはブラックのラッカー仕上げ
夜光: スーパールミノバ
防水性能: 300m(ISO 6425規格に準拠)
ストラップ/ブレスレット: レザー、ナイロン製NATOストラップ(NATOストラップは日本展開なし)またはSS製ブレスレット
ムーブメント情報
キャリバー: ロンジン L888.6
機能: 時・分・秒表示
パワーリザーブ: 72時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万5200振動/時
石数: 21
クロノメーター認定: COSC認定あり
追加情報: シリコン製ヒゲゼンマイ(ISO 764)
価格 & 発売時期
価格: レザーストラップ、SS製ブレスレットモデルともに49万8300円(税込)、NATOストラップモデルは日本展開なし(3000ドル)
パテック フィリップはアクアノートとノーチラスのコレクションに新しいリファレンスを多数発表した。
- 2008/09/04 (木) 12:48
“女性向け”のミニッツリピーター機能を備えたレインボーアクアノートだ。言うまでもなく、私はInstagramにあった虹色のアクアノートの画像の嵐で目が覚めた。約5分間、目をこすり、大量に水を飲み、新しいパテックについての大量のテキストメッセージを開封したあと、2度目のスマホチェックをした。私はすぐに、昨年発売されたアクアノート・ルーチェ レインボーと、レディスウォッチデザインにおける安易な方法であるジェムセッティングに関する、自身の厳格な批判を思い出した。
さて、これで私は1年賢くなったが、意見はまったく変わっていない。
パテック フィリップ アクアノート・ルーチェ “レインボー” ミニット・リピーター・ハイジュエリー
直感に従えと言われるが、1度に吸収することが多くて、自分の気持ちを整理することができなかった。順番に行こう。“女性のためのミニッツリピーター”は全面的に賛成だ(ただし、ここでの意味は厄介なのであとで詳しく説明しよう)。挑発的な宝石の使い方、これも全面的に賛成する。ケースとブレスレットに虹色に輝く宝石がたっぷりセットされている。パテック フィリップスーパーコピーそれほどでもないかも。これらの新しいジェムセットされたモデルにジェンダーラベルを貼る…ああ、今は2023年だよ。
ときどき、私は性別がないと主張する。またあるときは意図的なレディスデザインも主張する。多くの場合、それはブランドとは何の関係もなく、すべてブランドのアプローチにおける姿勢が関係していると気づかされる。女性をターゲットにしているのであれば、女性が何を望んでいるのかを聞いたほうがいい。なぜなら、私でさえ女性が何を望んでいるのか正確にはわからないからだ。私は36mm径が好きだが、41mm径が好きな女性もいれば、26mm径の小さなものが好きな女性もいる。そしてミックスしたものが好きな人もいる。
本当に賢いやり方は、さまざまなサイズを提供することである。APはこれを行い、すべての女性が同じものを好むわけではないことを理解しようとしている。例えばAPが昨年リリースしたレインボーセットは、37mmと41mmのサイズで展開し、ジェンダーラベルは割り当てていなかった。
パテック フィリップ アクアノート・ルーチェ “レインボー” ミニット・リピーター・ハイジュエリー
アクアノートのような時計は“現代的”なパテックの規範のなかでも認知度が高いため、よりスポーティなモデルであるこの時計は、存在感を示す絶好のチャンスがある。ここで何が言いたいのか、まだ正確に読み解けていないが、パテックには敬意を表したい。女性のためのコンプリケーションウォッチを求めよ、さらば与えられん。
大量のコーヒーを飲み、深く物思いにふけったあと、私はHODINKEE出身のカーラ・バレットに電話をして彼女の意見を聞いた。“パテックはこのような伝統的なモデルでリスクを冒している。でもこの時計にはもっと控えめなものが欲しい。例えばプラチナかホワイトゴールドのアクアノート MR トープ 35mmとか?”。なんて粋なの。
パテック フィリップ アクアノート・ルーチェ “レインボー” ミニット・リピーター・ハイジュエリー
時計のスペックを分析してみよう。アクアノートのミニッツリピーターは大賛成だし、ジェムセッティングは確かに印象的だ。防水性はないが、その議論はInstagramのパティーナボーイにお任せしよう。悪いけど、誰が200万ドルの宝石がセットされた時計でダイビングをするんだ?
昨年発売されたクロノグラフ アクアノート・ルーチェ “レインボー” Ref.7968/300R-001に続き、今作は色とりどりのバゲットカットサファイアおよびバゲットカットダイヤモンドをレインボーに配色してパワーアップさせた。ブレスレットまたはコンポジットストラップが用意されているが、これらはまったく同じ時計ではない。
まずは控えめなストラップモデルから始めよう。アクアノート・ルーチェ “レインボー” ミニット・リピーター・ハイジュエリー Ref.5260/355R-001はローズゴールド製で、52個のマルチカラーバゲットカットサファイア(3.19ct)、112個のバゲットカットダイヤモンド(7.31ct)、160個のブリリアントカットダイヤモンド(0.72ct)をあしらっている。ケースのサイズは直径38.8mm(10時から4時範囲)、厚さは10.7mmだ。
パテック フィリップ アクアノート・ルーチェ “レインボー” ミニット・リピーター・ハイジュエリー
文字盤にはさりげなく宝石を施し、中央には“インビジブル”バゲットダイヤモンドをセット。レインボーサファイアによる各インデックスのあいだにはブリリアントカットダイヤモンドがスノーセッティングされ、ベゼルの色調のグラデーションと呼応している。Cal.R27は、ケースの左側面に取り付けられたスライドセットを作動させることで必要に応じてチャイムを鳴らす。なおスライドに宝石は施されていない。ありがたいことに、追加で10個のバゲットカットダイヤモンドが、アクアノートのクラシックなデプロワイヤントクラスプにひそかにセットされている。
パテック フィリップ アクアノート・ルーチェ “レインボー” ミニット・リピーター・ハイジュエリー
Ref.5260/1455R-001(ダイヤブレスレット)は、130個のバゲットカットダイヤモンド(8.66ct)と779個のマルチカラーバゲットカットサファイア(45.05ct)が全体に敷き詰められている。そして、単に宝石をRGブレスレットにのみ追加したのではなく、こちらはケース側面、ブレスレット、スライドピースと、全面に宝石がセットされ、全体的にレベルアップしていることにお気づきだろう。あー疲れた。ケースサイズは同じく、直径38.8mm、厚さ10.7mmである。
12個のマルチカラーバゲットカットサファイアインデックス、同じくバゲットカットダイヤモンドで構成されたアワーリング、3個のバゲットカットルビーでセッティングされた時針、5個のバゲットカットブルーサファイアでライトアップされた分針。その針を運ぶ中心の穴には、ブリリアントカットダイヤモンドが1粒セッティングされている。
パテック フィリップ アクアノート・ルーチェ “レインボー” ミニット・リピーター・ハイジュエリー
パテック フィリップ アクアノート・ルーチェ “レインボー” ミニット・リピーター・ハイジュエリー
パテック フィリップ アクアノート・ルーチェ “レインボー” ミニット・リピーター・ハイジュエリー
そう、私は個人的にレインボーを愛していないかもしれない。ただレインボーの背景にある姿勢が大好きだ。パテックの挑発も大好きだ。しかし私たちは絶対に、2023年に女性用腕時計をどう売り込むかという議論に触れなければならない。これはレディス用の時計ではなく、宝石のセッティングが多いだけの時計である。どちらかというと、これがユニセックスモデルとして売り出されていたら私は飛びついていたかもしれない。私は荒っぽい感じを少しとろうとするスイス人の生き方を愛している。だがアクアノート・ルーチェをキャンバスとして使うのは、型どおりのやり方な気がする。レインボーデイトナが常に目指してきたのは、いつでも快適に身につけられる腕時計である。このアクアノートのグランドコンプリは、最も騒がしく、最大限度まで超えたものなのだ。
パテック フィリップ ノーチラス・ハイジュエリー
パテック フィリップ ノーチラス・ハイジュエリー
パテック フィリップ ノーチラス・ハイジュエリー
パテック フィリップ ノーチラス・ハイジュエリー
さて、最後は宝石をセットしたノーチラストリオだ。私はこれを支持しよう。文句のつけようがない。こちらの新作はダイヤモンドに、ブルーサファイア(7118/1451G-001)、ルビー(7118/1452G-001)、エメラルド(7118/1453 G-001)をそれぞれ組み合わせた、貴重な“スノーセット”ウォッチ3本だ。WGの3モデルはいずれも直径35.2mmで、自動巻きCal.26-330を搭載、透明なサファイア製シースルーバックからそのムーブメントを鑑賞できる。
私のひそかな疑惑は、高級時計メーカーから頻繁に依頼されるほどのジェムセッティング業界のリーダーであり、ジュネーブに拠点を置くサラニトロ社に、パテックが依頼をしたのではないかということ。さらに昨年、パテックは同社の株式40%を取得したと発表している。ここで見られるスノーセッティングは、最近発表された斬新なロイヤル オークダイヤモンドセッティングで使用されているスノーセッティングと、ほぼ同じなのだ。
パテック フィリップ ノーチラス・ハイジュエリー
パテック フィリップ ノーチラス・ハイジュエリー
興味深いことに、これらのノーチラスモデルは、過去に宝石をセットした3800系(これらがその好例。1、2、3、4)を思わせるもので、それは皮肉なことに男性向けに販売されたものである。この3つの“レディス”ウォッチは、パテックがノーチラスのラインナップを拡大する可能性があることを示す、重要な証拠と捉えることができるのだろうか。それとも、これは宝石をセットしただけのさりげないものなのだろうか? まあ賭けをするつもりはない。
10本以下しか存在が知られていないフィルムコンパックスが、今週1例登場した。
- 2008/08/15 (金) 23:27
私が最初に知った“ミステリー”ウォッチのひとつは、ユニバーサル・ジュネーブのフィルムコンパックスである。古いフォーラムの投稿には、典型的なUG(ユニバーサル・ジュネーブ)コンパックスの粗い写真がいくつか掲載されている。そのなかに、6時位置インダイヤルの上に“FILM COMPAX”と記され、さらに誰も使い方を知らない奇妙なアウタースケールもいくつかあるUGの個体があった。
コレクターらはすぐに、この赤と黒の目盛りがカメラフィルムの使用量を測るために使われるものだと理解した。しかしユニバーサル・ジュネーブ フィルムコンパックスのRef.22522は、これまでに10本未満しか知られていない、最も希少なヴィンテージUGのひとつである。今週、市場に出たばかりの例がヘリテージ・オークションに出品された。スーパーコピー時計 優良サイト今回実際手に取る機会があり、ユニバーサル・ジュネーブ界における真の聖杯を特集するきっかけがあった。
おもしろいことが起きる
ユニバーサル・ジュネーブ フィルムコンパックス Ref.22522は1945年に製品化。これまでに知られているすべての例はすべて米国市場向けに製造されたもので、おそらく米国の映画製作のためのものだった。数年前、サシャ・ダヴィドフ(Sacha Davidoff)氏と謎に包まれたA氏は、既知のフィルムコンパックスをすべて記録したが、わずか7本しか見つけられなかった。
フィルムコンパックスには専用に作られたアウタースケールがあり、ほかのUGクロノグラフとは一線を画している。赤と黒のスケールは、フィート/秒で使用されるフィルム量を示すように設計。赤は16mmフィルム用、黒は35mmフィルム用で、旧来の業界標準である24フレーム/秒に合わせて調整されている。また3時位置のインダイヤルには、フィート/分のフィルム使用量を測定するためのマーカーも追加されている。
このスケールは、毎秒使用される16mmまたは35mmフィルムの量を測定するために使用された。
フィルムコンパックスは、映画業界のために特別に設計された数少ない腕時計のひとつである(ギャレット フィルメーターもそう)。ほんのひと握りしか見つかっていないのは、特殊な用途のためだとすぐにわかるだろう。フィルムコンパックスの広告によると、同クロノグラフは“映画やテレビのプロデューサーにとって価値あるサービスを提供する”という。そのスケールは、毎秒カメラを通過する16mmフィルムと、35mmフィルム両方の映像を示すよう、段階的に調整して記されている。
ユニバーサル・ジュネーブの広告資料には、ほかの専用クロノグラフとともにコンパックスが掲載されている。Image: Courtesy of Omega ブランドはアエロコンパックス、メディココンパックス、スペースコンパックス、ダトコンパックスといった、各目的に特化したクロノグラフを数多く製造していた。パイロット、医者、宇宙飛行士、プロカメラマンなど、自身の仕事をよりよくこなすための道具を求めていた人が、この時計を買っていたと想像に難くない。そうしてヴィンテージUGに特徴を与えてきたのだ。しかしそのなかでも、フィルムコンパックスは特に際立っていた。
今回ヘリテージ・オークションに出品されるフィルムコンパックスは公に販売されたことはなかったが、これまで登場した既存の例と完全に一致している。まずブリッジには、米国市場向けの生産を示すユニバーサル・ジュネーブの米国輸入コード、UOWと刻印されている(実際、フィルムのフィート単位での測定がアメリカ向けであったことを示している)。この時計はオリジナルオーナーのものではないが、ヘリテージによるとロサンゼルスからやってきたとのこと。この時計がハリウッドの老監督の手首を飾ったあと、何人かの子孫に受け継がれ、最終的にエステートセールでブローチとスターリング・シルバーの下から発見されたという来歴が想像できる。
なかに入っているのは一般的なUG製手巻きクロノグラフムーブメント、Cal.287である。これまでの例はすべてスティールケースに収められていたが、ダヴィドフ氏いわく、古いUGの広告に14Kゴールドバージョンが掲載されているためその製造の可能性もあると言う。ヘリテージに出品されたこの最新の例は、フィルムコンパックスの以前の例で観察されたのと同じシリアル番号とムーブメント番号の範囲(1174xxxと261xxx)に属する。
チケット売り場にて
universal geneve film compax 25222
2016年に、6万8750スイスフラン(当時の相場で約760万円)で落札されたフィルムコンパックス。
ほとんどの例はeBayやウォッチフォーラムに掲載されている。注目すべき個体は、2016年のフィリップス、スタート・ストップ・リセット・オークションにて6万8750スイスフラン(当時の相場で約760万円)で落札されたフィルムコンパックスだ。このセールでは240万5000スイスフラン(当時の相場で約2億6545万円)で落札されたスプリットモデルのロレックスがヘッドラインであったなど、いろいろと突拍子もないことが起きていたため、今回の予想がヒントになるものではない。
ヘリテージはフィルムコンパックスに1万ドル(日本円で約151万7000円)の入札最低価格を設定しているが、UGは以前ほど話題になっていないため(私見であるが残念だ)、最終的にどこまで行くかはわからない。ケースはまだシャープなままだが、フィルムコンパックスの最も重要な部分である文字盤、特にアウタースケールの周りには斑点や擦り傷が見られる。ことさら目立つのはインダイヤルだ。とはいえ文字盤はオリジナルで、強調されたセリフ付きフォントの“UNIVERSAL GENEVE”と“FILM COMPAX”のおかげで容易に見分けがつく。
昔のコレクターは何よりも希少性を重視していたが、今はコンディションを見てから希少性に目を向けることが多い。はっきり言ってこれは40年代の時計であり、よくも悪くもそれが表れている。これがどこで売れるのかまったくわからない。フィリップスの結果が唯一の基準であるが、これは明らかに6万ドルする時計ではない。ヘリテージ側も2万ドル(日本円で約305万円)で売れたら大よろこびするだろう。
ユニバーサル・ジュネーブは、私がヴィンテージウォッチを愛するきっかけとなったブランドだ。なぜか“ポール・ニューマン”が何かを知る前に、“ニナ・リント”を知っていたくらいに。しかし、慣れが必要なブランドでもある。現代のオメガのカタログよりもリファレンスが多い。さらにユニバーサル・ジュネーブのクロノグラフ黄金期は40年代、50年代にさかのぼるが、これらは今のコレクターが話題にするような時計ではない。それ以上に、フィルムコンパックスの珍しさとおもしろさは、説明するのに時間がかかる。
しかし、フィルムコンパックスがユニバーサル・ジュネーブのなかでも最も特別なクロノグラフのひとつであることを忘れてはならない。実際に見ることができるとは思ってもいなかったが、見た今でも言えることは、神秘的な雰囲気を失っていないということだ。
このUG フィルムコンパックスの詳細については、ヘリテージ・オークション、ウォッチ&ファインタイムピース シグネチャー オークションのロット54174をご覧ください。
ゼニス デファイ スカイライン ナイトサーファー エル・プリメロ、
- 2008/07/26 (土) 20:47
ブラックからグレーに変化し、高振動で駆動するムーブメントを搭載したこの200本限定モデルは、うれしいサプライズだ。
つい先日も話したような気がするが(実際言ったと思うが)、この広い時計業界で働く醍醐味のひとつは、自分の友人たちがクールなことをやっているのを見ることだ。
そのため、友人たちが同じようなことをするときは、スーパーコピー時計その仕事ぶりを理解して評価するだけでなく、彼らを後押ししたくなるのだ。
そんなわけで、Time+Tideの親友アンドリュー・マカッチェン(Andrew McCutchen、オーストラリア在住)が、2021年のゼニス ナイトサーファー リミテッドエディションに続いて『バットマン ビギンズ(原題:Batman Begins)』における『ダークナイト(原題: The Dark Knight)』のような続編を発表すると聞いたときは、とてもワクワクした。この時計は、どうすればセンスよく反復できるか、優れたものに最小限の手を加えつつもいかに有意義なものに仕上げるか、という見本のような存在だ。詩的な話はこのくらいにして、時計そのものを見ていこう。
Zenith
前作ではブラスト仕上げを施したフルブラックのチタン外装が、スケルトンダイヤルに施された星型の深いブルーとコントラストを成していた。だが、今作ではケースにダークグレーが採用されている。チタンの軽い感触とサンドブラストによる美観は健在だが、グレーの色調が全体に独特な印象を与えている。だが、このグレーという選択は軽んじられがちだ。というのも、力強く強烈なブラックモデルの続編としてグレーを選ぶのは、デザインにおいて1歩後退したように捉えられるからだ。しかし、金属でそれを表現するととたんに美しく映え、表面のテクスチャーは実にユニークに光を反射する。
Zenith
反復と進化といえば、グラデーションブルーの“ナイトスカイ”ダイヤルは、さまざまな意味でアップグレードがなされている。ダイヤルの中央には(夜光塗料を塗布した)四芒星が配され、ブリッジと地板がブルーのスケルトンムーブメントへと続く。ダイヤルのブルーは下から上に向かって濃くなり、グラデーションのような効果が見られる。このようなあしらいは、実際にさまざまな照明の下で時計をかざし、その変化を楽しむのにうってつけだ。
個人的にスケルトンというのはあまり好みではないのだが、このモデルでは色のバランスと機構部がブルーのモチーフやゼニスのアイコンにシームレスに溶け込んでおり、真にモダンなデザインを感じさせる。この12角形のベゼルは、単なるヴィンテージの再現ではない(デファイシリーズには歴史的な名作もあるが)。これは、質感や素材の革新性、そして大胆なダイヤルワークを備えた近代的な時計デザインである。
Zenith
オリジナルとは異なる重要な要素のひとつが、新開発の高振動ムーブメントだ。この時計には3万6000振動/時で鼓動する高振動キャリバー、エル・プリメロ 3620が搭載されている。この振動数が、腕時計をよりエキサイティングで興味深いものにしている。そしてありがたいことに6時位置にはスモールセコンドがあり、小さな針がぐるぐると回るのを眺めることができる。まるで振動数こそが、この時計が持つ超能力であるかのようだ。
Zenith
70年代のスピリットを受け継ぎながらもつけ心地に優れるブレスレットは、ボタンを押すだけで簡単に取り外せるクイックリリース機構を備えている。生産本数は前作の2倍となる200本で、価格は152万9000円(税込)に設定されている。
最終的には“ダークナイト トリロジー(3部作)”のようになるのだろうか? 時の経過が……いや、潮の流れが教えてくれるかもしれない。
Zenith
ゼニス × Time+Tide デファイ スカイライン ナイトサーファー エル・プリメロ。マットグレーでサンドブラスト仕上げの41mm径チタン製ケース、ゼニスのロゴが刻まれたツイントリガー式のデプロワイヤント バタフライクラスプを備えた一体型ブレスレット。6時位置にスモールセコンドのサブダイヤルを備えた、スケルトンデザインでグラデーションブルーの四芒星ダイヤル。ムーブメントは3万6000振動/時で駆動する高振動キャリバー、エル・プリメロ3620。100m防水。限定200本。価格152万9000円(税込)。
今日で一ヶ月 経ちました。魚はとても元気ですくすく成長中
- 2008/07/15 (火) 19:40
本日で、バクテクト飼育を始めて一ヶ月になります。魚は色艶が増し体に張りが出てきています。確実に成長しています。とても健康で病気も発生しておりません。エサ食いも良くこれからが楽しみです。まだまだ様子を見ていくことにします。
昔から時計が好きで、特にロレックスのクロノマットを買うのが夢でした。そんな時にふとネットで検索していると欲しいと思っていたクロノマットが見つかり大興奮。実際に使用してみてもちょうどいいサイズ感でこれから人生の相棒になること間違いなしの時計となりました。購入するにあたり色々相談させていただいたスーパーコピー時計 代引きのスタッフさんに感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
ジャガー・ルクルトのレベルソは時計史上5、6本の指に入るアイコニックなデザインであり、
- 2008/07/11 (金) 00:00
単独の展示会を開催するに値する時計である。そしてJLCは11月3日から22日のニューヨークにかけて、その展示会を開催する。誰でも入場が可能な“レベルソ・ストーリーズ・エキシビション”は、チェルシーのアイアン23で開催。レベルソについて詳しく知ることができ、今年発表された最新モデルの一部も見ることができる。
ベン・クライマーとレニー・クラヴィッツ(Lenny Kravitz)氏が、クルマやカメラ、そしてレベルソといった多岐にわたるコレクターズアイテムに共通する思いについて語り合った際、展示会のオープニングを手伝った。当日、ベンはトリビュート 1931 USエディションを着用し、クラヴィッツ氏は新しいローズゴールド製レベルソ・トリビュート・クロノグラフをつけて登場した。
この展示会では、レベルソが誕生した1931年から現在に至るまでのストーリーを描いている。1925年のパリ万国博覧会以降に始まったアール・デコ運動から生まれた、時計の歴史的背景をうまく表現しているのだ。例えばアール・デコ建築の最も象徴的な建造物のひとつであるエンパイア・ステート・ビルは、スーパーコピー 代引きレベルソが発表されたのと同じ年に完成した。ふたつのデザインを並べて見比べると、似たようなラインやシェイプが形成されているのがおわかりいただけるだろう。
展示には、より相互活性する部分もあった。創業者のアントワーヌ・ルクルトにちなんで名付けられたアトリエ・ド・アントワーヌ(Atelier D'Antoine、時計製造実技等の教育プログラムが行われるアトリエ)では、レベルソのケースを構成する部品の一部を組み合わせることができる。
それと同じくらい貴重なのは、ジャガー・ルクルトの最近のリリースを実際に取れる機会が設けられたことだ。私のハイライトは今年の傑出したリリースのひとつである、レベルソ・トリビュート・クロノグラフが再び見られたことである。印象的なレベルソ・トリビュート・デュオ・トゥールビヨンも会場に展示されている。表と裏にトゥールビヨンを搭載しているが、それでも9.15mm厚という薄さを実現しているのは技術の賜物である。
JLCが最近発表したレベルソ・トリビュート・クロノグラフのようなモデルを楽しめる。
そして裏側にもトゥールビヨンがある素晴らしい(かつ超薄型)レベルソ・トリビュート・デュオ・トゥールビヨンも。
ジャガー・ルクルトはまた、ケースの裏側に美しいエナメルの細密画を描いた、2本の新しい北斎限定モデルも発表した。JLCによるとこのようなエナメル画を描くことができるエナメル職人は5人しかおらず、そのうちのひとりがほかの4人を育てたマスターエナメル職人だという。ただ裏面に描かれた絵に注目が集まるかもしれないが、ギヨシェ彫りが施されたゴールドの地板の上にエナメルが施された表のダイヤルも特筆すべき点だろう。この繊細で美しいエフェクトは、JLCのカタログ上もっと多くの腕時計に実装されて欲しいものだ(言うは易く行うは難し!)。
hokusai jaeger reverso limited edition
2本の北斎限定版レベルソ。
reverso hokusai limited edition
表は、ゴールドのギヨシェ文字盤にエナメル加工が施されている。
reverso hokusai limited edition
私が最も興奮したのは、さまざまなヴィンテージレベルソが展示されていたことだ。展示会では1931年のオリジナルレベルソから今日に至るまで、レベルソの時系列がすべて展示されている。
vintage jaeger lecoultre reverso red
レベルソ・ストーリーズ・エキシビションでは、この真っ赤な例を含め、カラフルな文字盤が数多く展示されていた。
vintage reverso brown dial
チョコレートカラーのヴィンテージレベルソ。
vintage reverso luxe red dial
ワインレッドカラーのレベルソ・リュクス。
book various reverso dials
時計だけでなく、文字盤やレベルソのエングレービングの本、レベルソケースの特許原本まで、あらゆる種類のアーカイブ資料が展示されている。
jaeger le-coultre corvo reverso
珍しいコルヴォ・レベルソ。70年代初頭に起きたレベルソの復活は、それだけで物語る価値があるが、これはジョルジオ・コルヴォ(Giorgio Corvo)がJLCのマニュファクチュールを訪れ、ダイヤルのない40年代製スティールレベルソケースを見たのがきっかけ。これらのユニークなケースを見て、コルヴォとJLCはレベルソを復活させることを思いついた。70年代半ばまでに、このコルヴォ・レベルソは約200本製造された。
jaeger lecoultre reverso six limited edition 1990s
コルヴォ・レベルソはジャガー・ルクルトルネッサンスの始まりに貢献した。売り上げは伸び、90年までにはアイコニックなモデルであるレベルソへの関心が高まっていたのだ。そして1990年代は、クォーツショック後の伝統的な機械式時計製造の真の復活を示した。JLCにとって、これは6つから成る画期的なレベルソシリーズを意味し、ミニッツリピーター、トゥールビヨン、今年のレベルソ・トリビュート・クロノグラフのインスピレーションとなった両面クロノグラフなど、初めてレクタンギュラーウォッチに複雑さをもたらしたのである。
reverso casa fagliano
歴史的に重要なレベルソのほかに、カーサ・ファリアーノも参加していた。この小さな家族経営の会社は、世界最高のポロ競技用ブーツを生産しており(チャールズ国王に聞いてみて)、JLCとは数多くのレベルソでコラボレートしている。
jaeger-lecoultre reverso gold on wrist
どこを見渡してもレベルソだ。
reverso stories exhibit
レベルソ・ストーリー・エキシビションはレベルソの歴史、デザイン、メカニズムなど、ストーリー性を見事に伝えているだけでなく、レベルソの汎用性の高さも存分に発揮されている。シンプルな2針モデルから、目を疑うほどのクアドリプティックまで、そのすべてがチェルシーに展示されている。
jaeger-lecoultre vintage duoplan black
私は30年代製のルクルト・デュオプランをつけて出席した。
レベルソは過去1世紀で最も重要な腕時計の5、6本のうちのひとつだが、ここ数年のあいだに誇大広告や見出しを飾ったほかの“アイコニックな”デザインの陰に隠れて、忘れられていることが多い。ハイプ(誇大広告)バルーンの空気が抜けて、レベルソが正当な評価を受けるときが来たように感じる。そしてこれから数週間は、その歴史のすべてが展示されるのだ。
レベルソ・ストーリーズ・エキシビションは2023年11月3日から22日まで、ニューヨークのチェルシーにあるアイアン23で開催。詳細はエキシビションのホームページをご覧ください。ガイド付きツアーも予約可能です。
IWCのパイロット・ウォッチ・クロノグラフ 41がスポーツテイスト全開に。
- 2008/07/04 (金) 12:40
IWCのパイロット・ウォッチ・クロノグラフコレクションは、ブランドにとってまさにクロノグラフの真髄とも言えるデザインであり、この特定のスタイルの時計に関しては、時計業界における今日の第一人者的存在だ。目を閉じて“パイロット・クロノグラフ”を思い浮かべれば、すぐにIWCが頭に浮かぶ。IWCのラインナップには、サイズ、ケース素材、カラーなど、圧倒的な数の選択肢がある。そしてIWCは、もうひとつの選択肢を用意した。名前こそパイロット・クロノグラフだが、そのジャッジはあなたに委ねよう。今回は、パイロット・ウォッチ・パフォーマンス・クロノグラフ 41 AMGと、パイロット・ウォッチ・パフォーマンス・クロノグラフ 41 メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チームを紹介する。
パイロット・ウォッチ・パフォーマンス・クロノグラフ 41 AMG。
これらの時計は、IWCスーパーコピー 代引き“不気味の谷”的な意味で見覚えがあり、親しみを感じるはずだ。それは、IWCのクロノグラフにおける41mmのプラットフォーム(縦型インダイヤルのレイアウト、曜日、デイト表示、IWCの自社製キャリバー69385を搭載)を、外付けのブラックセラミック製ベゼルと組み合わせているからだ。これらの新しい“パフォーマンス・クロノグラフ”は厳密にいうとまだパイロットウォッチのラインナップに含まれており、IWCが過去に深く関わってきたメルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チームとの共同開発によるもので、(程度の差こそあれ)レーシングウォッチにインスパイアされたものであることは明らかだ。はたしてこれは、真の意味でパイロットウォッチなのだろうか?
ベーシックモデルのパイロット・ウォッチ・パフォーマンス・クロノグラフ 41 AMGはチタン製で、ラバーストラップ(税込139万7000円)、またはチタン製ブレスレット(税込167万2000円)の2種類を用意。パイロット・ウォッチ・パフォーマンス・クロノグラフ 41 メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チームはブランドが独自開発したセラタニウム合金を使用しており、ラバーストラップ(税込194万7000円)、または大きく価格が跳ね上がるがセラタニウム製ブレスレット(税込287万1000円)のふたつのタイプから選ぶことができる。ブレスレットのオプションはIWCのほかのパイロット・クロノグラフよりもスポーティな印象を与え、とりわけセラタニウム製ブレスレットは過去に数本しか発表されていないプレミアムな仕様となっている。しかし、私にとって最も目立つデザイン上の特徴はそこではない。
IWC subdials
このほかにも、この時計がなじみ深くもどこか異彩を放っている理由として、大きな影響を及ぼしている細かな特徴がいくつか見られる。ダイアルはIWCのパイロット・クロノグラフで一般的なマット仕上げではなく、光沢を持たせている。また、サブダイヤルの周囲に傾斜した縁が施されていることで沈み込んだインダイヤルがより一層際立ち、これまでのラインナップにはなかった立体感が加わっている。このセラタニウム製モデルには、過去に同チームの限定モデルで見られたペトロナスブルーの装飾も施されている。これらはすべて、来週末のラスベガス・グランプリに合わせたものだ。
我々の考え
私がこの時計についてどのように考えているか、少なくともその一端についてはご存じだと思う。これがパイロット・クロノグラフであることを私に納得させるのは難しいだろう。しかし、だからといって決して目新しいものではない。実際、この新デザインはとても素晴らしく、IWCにとって輝かしい何かが始まるきっかけになると思う。
IWC Pilot’s Watch Performance Chronograph 41 Mercedes-AMG PETRONAS Formula One Team
ブラックアウトされた時計に対する私の変わらぬ愛はHODINKEEでもよく知られるところだが、この新しいパイロット・ウォッチ・パフォーマンス・クロノグラフ 41 メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チームは、ポップな青緑色、つまりペトロナスブルーが印象的だ。ホワイトのインデックスとタキメーターのホワイトマーカーのコントラストは非常に素晴らしく、セラタニウム製のブレスレットは精悍でタフな印象を与える。そのほかのスペックはほかの41mm径のパイロット・クロノグラフ(厚さ14.8mm、IWC製キャリバー69385、パワーリザーブ46時間、100mの防水性能など)と同じで、IWCのなかでも私の好きなフォルムをしている。
しかし、そんなことはどうでもいいことだ。ダイヤルからベゼルに至るデザイン言語の再構築は、新たなスタートのように感じられる。タキメーターベゼルは、99%のユーザーにとっては余計なものでしかないのかもしれない。だが、本物のレーシングウォッチを作るのであれば必要不可欠なものだ。さて、IWCがかつて発表したAMG・ペトロナス・フォーミュラワンウォッチを振り返ってみると、そもそもタキメーターのない時計を発表したこと自体が馬鹿げているようにさえ思える。しかし、あれはパイロット・ウォッチだ。これは……何か違う、どこかクールな、そして私にとってはIWCが勇ましくも切り開いた新世界そのものだ。
基本情報
ブランド: IWC
モデル名: パイロット・ウォッチ・パフォーマンス・クロノグラフ 41 AMG(Pilot's Watch Performance Chronograph 41 AMG)、パイロット・ウォッチ・パフォーマンス・クロノグラフ 41 メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム(Pilot's Watch Performance Chronograph 41 Mercedes-AMG PETRONAS Formula One Team)
型番: IW388305(チタン製、ストラップ付き)、IW388304(チタン製、ブレスレット付き) 、IW388306(セラタニウム製、ストラップ付き)、IW388307(セラタニウム製、ブレスレット付き)
直径: 41mm
厚さ: 14.8mm
ケース素材: チタンまたはブラックセラタニウム
文字盤色: 黒(セラタニウム製モデルにはペトロナスブルーのアクセントが施されている)
インデックス: ロジウムメッキの針、ブラックニッケルのアプライドインデックス
夜光: あり
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: ケース素材に合わせたラバーストラップ、またはブレスレット
IWC-manufactured 69385 calibre movement
セラミック製の黒々としたムーブメント。
ムーブメント情報
キャリバー: IWC 69385
機能: 時・分・秒表示、クロノグラフ、30分積算計、12時間積算計、デイデイト表示、秒針停止機能
パワーリザーブ: 46時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
価格 & 発売時期
価格: チタン製モデル 税込139万7000円(ラバーストラップ付き)、税込167万2000円(チタン製ブレスレット付き)、セラタニウム製モデル 税込194万7000円(ラバーストラップ付き)、税込287万1000円(セラタニウム製ブレスレット付き)
フォージドカーボンをデザインに落とし込んだG-SHOCK GCW-B5000UN
- 2008/07/03 (木) 21:37
G-SHOCKの40周年は、カシオが近年特に力を入れているCMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)デザインの、挑戦に次ぐ挑戦を目の当たりにした非常に刺激的な1年だった。5000シリーズの立体的な造形にサーキットボードパターンを施したGMW-B5000TCCや、ステンレス素材の再結晶化と深層硬化処理を組み合わせたリクリスタライズドシリーズ、その再結晶化ステンレスの上からさらにレインボーIPをかけたMTG-B3000PRB-1AJRに、カーボンとグラスファイバーによるマルチカラーの積層フレームを採用したMTG-B2000YR-1AJRなどなど……、毎月のように繰り出される彩り豊かなリリースの波に翻弄され続けていた気がする。気がつけばもう11月だ。周年の幕引きも見えてきたこのタイミングで、カシオはフィナーレとばかりに、ベゼルパーツとバンドにフォージドカーボンを大胆にあしらったGCW-B5000UNを発表した。
カラーは、ブラックのGCW-B5000UN-1JRとパープルのGCW-B5000UN-6JRの2種類が用意された。パープルのほうを見てピンときた人も多いかもしれないが、モチーフとしているのは“宇宙”だという。カシオは、進化を続けるG-SHOCKに想像を超えて広がる宇宙空間とを重ね合わせたデザインを与えた。GCW-B5000UN-1JRはブラックとグレーの混色模様で、GCW-B5000UN-6JRはブラックのカーボン繊維にブルーとピンクの着色樹脂、スーパーコピーn級品 代引きパウダー状のオパールを混ぜ合わせることで揺れ動く銀河の霞と星々を表現した。
マテリアル以外のスペックは、既存モデルと変わらない。20気圧防水とタフソーラーを搭載したネガ液晶を持つデジタルウォッチであり、ワールドタイム、アラーム、フルオートカレンダーなどの基本的な機能に加えてモバイルリンク機能も備えている。サイズは49.1×45mmで、厚さが14.5mm。両カラーとも価格は29万7000円(税込)となっており、11月28日(火)に発売を予定している。
ファースト・インプレッション
高強度と軽量性からモータースポーツや航空機製造の世界で重用されてきたフォージドカーボンは、短い繊維状のカーボン繊維を樹脂に含浸し、高温高圧でプレスすることで成形される。高い製造技術が求められる素材だが、その半面、複雑な形を作りやすいというメリットも持つ。その登場時は、ハイブランドの時計に見られる手が届かない素材というイメージが強かった。しかし最近では、ミドルレンジでもケースの全体や一部にフォージドカーボンを取り入れるブランドが増えつつあり、G-SHOCKでも2021年にフォージドカーボンのバンパーを装備したマッドマスター GWG-2000をリリースしている。
だが、ベゼルのワンパーツだけならともかく、このGCW-B5000UNにおいてカシオは、ブレスのひとコマに至るまで(それこそバンドのディンプルまで正確に再現しながら)フォージドカーボンを仕上げてきた。G-SHOCKのようにマス向けのブランドで、ケースだけではなくすべてにフォージドカーボンを取り入れたブランドはちょっと思いつかない。MR-G(G-SHOCKの最高級ライン)において、細分化したケースパーツそれぞれ、それこそビスひとつにいたるまで硬化処理と研磨を徹底してしまうあの“やりすぎ感”を、僕はこのGCW-B5000UNにも感じてしまった。
実はこの2モデルは、部位によって計3種のカーボンを使い分けている。まずは前述のとおり、ベゼルとブレスにはフォージドカーボンを使用。腕に沿って圧がかかるバックルの中留には、曲げに強い積層カーボン(薄く伸ばした飴細工のように、薄い層が重なっているのが見えるだろうか)を取り入れた。そして、今作ではカーボンファイバー強化樹脂によるカーボンモノコックケースを5000シリーズで初めて採用した。風防に用いたサファイアクリスタル以外、眼に見える箇所はほぼほぼカーボンで仕上げた形だ。結果として、GCW-B5000UNはG-SHOCKらしい堅牢性を維持しつつ、フルステンレスのメタルモデル GMW-B5000Dの167gに対して65gと半分以下の軽さを実現した。これは、直近の樹脂モデルであるDW-5040PG-1JR(リクリスタライズドシリーズ)と比較しても13g軽い。
29万7000円(税込)と、MR-Gのゾーンに踏み込んだ価格には最初少々驚かされた。だが、GCW-B5000UNで使用されたマテリアル、そしてそれを実現するために支払われた手間と技術を考えると、さもありなん、という感じである。
もし自分で購入するとしたら、と考えるとやはりブラックがソリッドでカッコいいと思う。だが、フォージドカーボンを素材とする、といったところからもう一歩踏み込んだデザインを行ったGCW-B5000UN-6JRは見事だ。まだ写真でしか確認できていないが、先日子供と見に行ったプラネタリウムを思い起こさせる、ロマンチックな色彩表現に目を奪われる。初めて見たときには、カーボンの上からお得意のプリントを施したのか? と思ったほど精細だ。昨年12月に行われたブランド40周年のプレスカンファレンスで、伊部菊雄氏は“未来のG-SHOCK”として過酷な宇宙環境に耐えるG-SHOCKの話をしていた。その足がかり……、というわけではないだろうが、40周年の締めくくりとして、この先の展開を思わせる面白いモデルが出てきたと素直にわくわくしてしまった。
基本情報
ブランド: G-SHOCK
型番: GCW-B5000UN-1JR(ブラック)、GCW-B5000UN-6JR(パープル)
直径: 45mm
厚さ: 14.5mm
ケース素材: フォージドカーボン
文字盤色: 黒
夜光: LEDバックライト
防水性能: 20気圧
追加情報: タフソーラー、ストップウォッチ、タイマー、アラーム、リマインダー(モバイルリンク機能)、携帯電話探索(モバイルリンク機能)、自動時刻修正(モバイルリンク機能)、ワールドタイム、UTC時刻表示、ホームタイムの都市入れ替え機能、バッテリー充電警告機能、パワーセービング機能、フルオートカレンダー、12/24時間制表示切替、操作音ON/OFF切替
製品は40周年のスペシャルパッケージで届けられる。
価格 & 発売時期
価格: ともに29万7000円(税込)
パテック フィリップはスターン氏お気に入りのコンプリケーションを用いた新しい斬新なバージョンを、
- 2008/06/24 (火) 20:35
フィリップ・スターンの息子でありパテック フィリップ現CEOであるティエリー・スターン(Thierry Stern)氏は、彼の父親の生涯にわたる時計への献身を称えるために、この時計を30本のシリーズとして依頼。フィリップ・スターン氏の生年にちなんで名づけられたRef.1938Pは、アラーム付きのプラチナ製ミニッツリピーターであり、グラン・フーエナメルのダイヤルにはフィリップ・スターン氏の肖像画が描かれている。
1938P
このムーブメントは、フィリップ・スターン氏がパテックとともに歩んできた遺産を振り返るタイムカプセルのようなものだ。1989年、パテック フィリップ創業150周年を記念して、フィリップ・スターン氏は自動巻きミニッツリピーター、“Cal.R 27”を発表した。この種のムーブメントとしては初めて、パテックの工房で設計・製作された完全自社製ムーブメントである。スターン氏指導の下、パテックは彼のお気に入りである壮大かつ複雑なミニッツリピーターのラインナップを徐々に拡大し、スーパーコピー時計 代引きついには業界全体で最大の製造数を誇るコレクションとなった。
2014年、パテック フィリップはマニュファクチュール175周年を記念し、手巻きCal.300 GS AL 36-750 QIS FUS IRMを搭載した最も複雑なパテック フィリップの腕時計、グランドマスター・チャイム Ref.5175を発表した。その時計は時刻を知らせるアラームを含む、5つの音響機能を兼ね備えていた。
そして今日、パテックは1938Pにこれらふたつの成果を新しいCal.R AL 27 PSへと組み合わせた。ムーブメントは“R 27”をベースに作られており、ミニッツリピーターとアラームを初めて組み合わせたものである。ムーブメントは自動巻きで(リューズを最初の位置にすると手で巻くこともできる)、約48時間のパワーリザーブを備える。チャイム機能にはふたつのゴングがあり、ミニッツリピーターが作動しているあいだ、またはアラームが作動しているあいだ、いずれかの時刻をチャイムで知らせてくれる。
この時計には4つの新しい特許と、チャイムモードを選択するためのレバーとコラムホイール、および動力源(チャイム用ぜんまい)を一時的にチャイム機構から切り離すチャイム・トリガーを備えたフュゼ機構など、227の追加部品が必要だった。これらの4つの特許は、チャイム・モードの安全な切り替え(リューズのプッシャーでアラームのオン/オフが設定可能)、適切な瞬間までアラームが鳴るタイミングを遅らせ、すべての場合において“時・分・秒”の正しい打刻順序を保証するという内容を対象としている。
ブレゲ式のセンターアラーム(ブレゲ式ローズゴールド針)には、独自の魅力的な機能がある。アラームは、リューズを中央の位置に引き出した状態でセットすると、針が12時間表示のようにダイヤル上の時刻を指し、ローズゴールド・パウダー仕上げの15分単位アラーム時刻スケールを指して、15分単位でセットされる。着用者が最大数のチャイムを聞けるよう、Ref.1938P-001のアラームは常にプログラムされた時刻の2分前に必ず鳴る。そうすることでリピーターのチャイムが短時間だけ鳴るのではなく、その効果が完璧に発揮するようになる。
プラチナケースの直径は41mm、厚さは14.2mm、ラグからラグまでは49.4mmだ。グラン・フーのブラックエナメル文字盤には、フィリップ・スターン氏とブレゲ数字とホワイトゴールド針(加えて前述したRG製アラーム針)を配している。また、開閉可能なオフィサーケースバックの内側と、開いた際に見えるムーブメントにはエングレービングがある。̇裏蓋には“À mon père, 85 ans de passion horlogère(我が父と85年間の時計製作への情熱に捧げる)”と書かれている。この特別な30本は、もちろん価格応相談だ。
我々の考え
パテック フィリップが Only Watch 2023の発表を予告して以来、この発表をいまかいまかと待っていた。その際、パテックは「フィリップ・スターン氏のお気に入りのグランドコンプリケーションを製作します。これはトリビュートウォッチのためだけに製作・デザインされるため、このムーブメントは2度と使われることはありません」と発表していた。そしてOnly Watch 2023の開催が延期されたことで、私たちはパテックの作品を目にすることはなかった。最も近かったのは、モナコ・オンリー・ウォッチ・パーティで展示された、オフィサースタイルのケースバックの内側に刻まれた彫刻の画像だった。そして今、私たちは全貌を理解した。
1938P
Philippe Stern 1938P
技術的な偉業はさておき、この時計が業界全体でどれだけ評判がいいのか、気になる機能がたくさんある。しかし、それは私のためでもなければ、ほかの読者のためでもない。これは息子が父親のためにつくった時計であり、友人たちが楽しむためのものだ。そういう意味だとこれはフィリップ・スターン氏にふさわしいトリビュートである。そして息子の父親への贈り物を、誰が批判するというのだろうか? しかし、グラン・フーエナメル文字盤にフィリップ・スターン氏の顔が描かれていることは、もしこの時計がフィリップ氏とティエリー氏のためだけに作られたものだとしたら、もっと理にかなっていると思う。ムーブメントのローターに刻印されたフィリップ氏のサインとエナメルも同様、何となく“ティファニー”の5711を思い出した。私はブランドのコレクターの多くが、この親子を深く愛していることを知っており、この時計はふたりの友人やビジネスパートナーに提供されると聞いている。
しかし、ブレゲ数字や斬新なムーブメントのような、パテック好きにはたまらないタッチがあるのも事実。30本しか生産されず、しかも2度とこのムーブメントを使った時計はつくられないと約束されているので、いつかオークションで一般市場に出回れば、信じられないほどのコレクターズアイテムになることは間違いない。ただ長く待たなければならないかもしれない。フィリップ・スターン氏の友人たちは、誰もすぐに売りに出すことはないだろう。
基本情報
ブランド: パテック フィリップ(Patek Philippe)
モデル名: ミニット・リピーター・アラーム1938P(Minute Repeater Alarm 1938P)
型番: 1938P-001
直径: 41mm
厚さ: 14.2mm
ラグからラグまで: 49.4mm
ケース素材: プラチナ
文字盤: 18金ゴールドの文字盤プレート、本黒七宝の地にホワイトとグレーの七宝細密画によるフィリップ・スターンの肖像
インデックス: ホワイトゴールドのアプライドブレゲ数字
防水性能: 非防水
ストラップ/ブレスレット: ブリリアントブラックのハンドステッチアリゲーターストラップ
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