ほとんどらんちゅうの仔引き経験がない 金魚一道 U による 冬眠明けから品評会エントリーまでの戦いの記録。
最も多くの人が参加する最大規模の商業オークションが連続して開催され、今年は開催が延期されたものの隔年にはOnly Watchチャリティーオークションもある。また、高級時計財団(Fondation de la Haute Horlogerie's、FHH)の文化評議会、いくつかのブランドイベント、そして目玉となるジュネーブ時計グランプリ(GPHG)の投票・授賞式など、間違いなく2023年秋のジュネーブカレンダーがピークを迎えた時期だ。ご存じのように、GPHGは、我々の業界で言うところのアカデミー賞に最も近い。完璧ではないものの、業界が誇る最高のものであり、より広いコミュニティにとっては貴重なイベントである。私は今年、4回目となるGPHG審査員に選ばれ、1週間ジュネーブに滞在した。そしてそれは旧友に会ういい機会だった。というわけで、ジュネーブで過ごした時間(の一部)を、非公式な日記として少し紹介しようと思う。
日曜日: マンダリン オリエンタルでオークション&ウォッチトーク
今週ジュネーブで過ごした私の腕には? ロレックススーパーコピー代引き 激安 コスモグラフ デイトナ 126529LN “ル・マン”が巻かれている。
午前9時頃、ジュネーブに到着した私はホテルへと向かい、チェックインを終え、シャワーを浴びて身支度を整えた。その日曜日、私が特に見たいと思っていた数点を、サザビーズが出品していたのだ。当初気づかなかったが、オークションのためにマンダリンまで足を運んだことで、何年も会っていなかったコレクターコミュニティの中枢へと足を踏み入れることになる。マンダリンのメインエントランスからバーまでのわずか15フィート(約4.5m)のあいだに、マイケル・サフディ(Michael Safdie)、ダビデ・パルメジャーニ(Davide Parmegiani)、そして友人のウェンディとアモス(ふたりはシンガポールにいる素晴らしいランゲコレクターだ)と出会った。
彼らに挨拶をしたのちセキュリティーを通過すると、唯一無二の存在であるクロード・スフェール(Claude Sfeir)がいた。クロードは伝説的なコレクターで、オークション界の中心人物である。彼は体調を崩したり、その前にはCOVIDが集まりを妨害していたため、お互いに会うのは何年かぶりだったが、彼は相変わらずとても親切で思いやりのあるコレクターだった。クロードと十分に挨拶を交わしたあと、私はオークション会場に向かった。すると会場の奥にいたロジャー・スミス(Roger Smith)を見つけた。彼が手掛けるプラチナ製のダニエルズアニバーサリーウォッチが、この後のオークションに出品される予定だったのだ。ロジャーは私の大好きな時計関係者のひとりなので、私は彼のところに行ってみた。すると彼は、何か違うものを身につけていることに気づく。プラチナ製のランゲ ダトグラフのファーストシリーズだ! これが“ダトー”(貴族に相当する称号)のお墨付きでなくて何なのか。
アニバーサリーウォッチセールの前にまだいくつかのロットが残っていたので、我々はロビーのバーにあるテーブルを囲んだ。そのグループにはロジャー、クロード・スフェール、私、ハムダン・ビン・ハマド(Hamdan Bin Humaid)というとても素敵な男性(私はすぐに、ネットで見た中東の独立時計に関する素晴らしいプロジェクトの仕掛け人だと気づいた)、
そう、こんな感じだった。しばらくしてから我々は皆、ロジャーの時計を見るためにオークションルームに戻った。これもまた、彼が2008年に工房設立のために売却した私物の時計だった。このロットは極端なスタイルで行われた。スフェールを含む4人の入札者と2人の電話入札者(そのうちのひとりはアメリカからのものと思われる)により、210万スイスフラン(日本円で約3億5580万円)以上で落札されたのだ。ほんの数年前ならむしろ誤解していたであろう時計にとっては、信じられない結果だと思う。
オークションのあと、何人かはロビーのバーに戻って昼食をとり、数時間話し込んだ。とても楽しい人たちとの素敵なソフトランディングで週のスタートを切れたことをうれしく思う。
月曜日: ラート美術館にてGPHG審査員として投票
前述したように、ジュネーブ時計グランプリ(GPHG)は、“時計界のアカデミー賞”のようなものだ。10年前、私に初めて審査員の依頼が来た。それ以来状況は大きく変わったが、最終的にGPHGは、毎年完璧ではないにもかかわらず(すべてのトップブランドが参加するわけではない)、高級時計製造のための絶対的に優れた賞であり、非常に高い評価を得ている。私は審査員として、事前に選ばれた候補の時計が並んだ部屋に12時間近く座り、議論し、無数のカテゴリの勝者に投票した。世界の偉大な専門家たちに囲まれながら、すべての時計を手にして詳細に見られた素晴らしい日である。しかしGPHGを特別なものにしているのは、審査員の質だ。私の朝のテーブルはマックス・ブッサー(Max Büsser)とヴィアネイ・ハルター(Vianney Halter)とモハメド・セディキ(Mohammed Seddiqi)だった。この3人は時計に詳しいと言えるだろう。
ヴィアネイ・ハルターが私の時計をチェックしている。
5つのカテゴリのあと、テーブルが入れ替わる。私の次のグループには、審査委員長のニコラス・フォルケス(Nick Foulkes)や、私が以前から会いたいと思っていた、東京に拠点を置く彼の名を冠したウォッチブランドを手掛ける飛田直哉がいた。情熱は言うに及ばず、その知識量には本当に感心させられた。ジョージ・バンフォード(George Bamford)、マーク・チョー(Mark Cho)、ダニエラ・デュフォー(Daniella Dufour)、クリスティアン・ハーゲン(Kristian Haagen)、Dimepieceのブリン(Brynn)など、昔からの友人たちにも会うことができた。ここでは、2023年のGPHGで候補に挙がっていたいくつかの時計を紹介しよう。
この日たくさんのことを考えていたが、12時間にもおよぶ審査はいつも驚きを与えてくれる。例えば、ジェブデ・レジェピ(Xvedet Rexhepi)の時計の美しさとか。今年の初めに完成予想図が公開されて以来、実機が見たくてたまらなかったこの時計は、想像していた以上に素敵だった。長いラグ(ある意味では、弟のレジェップがJPハグマンとともに製作したものに似ている)、細身の輪郭、そして考え抜かれた複雑機構は期待以上だ。しかし、これはまだ本来の機能を果たしていないプロトタイプだったため、今年のGPHGの投票では候補から外された。しかし、若いレジェピの未来は明るいと言えるし、この時計のために予約をした人たちは今後の展開に自信を持つべきだ。そして来年のGPHGで彼と再会できると確信している。
明るいパウダーブルーの文字盤は現代的だ。
リヤキャリバーはアンティークのように見える。私はこの組み合わせが大好きだ。
そのほかの感想としては、スタジオ・アンダードッグによるシーガル社製クロノグラフの解釈が素晴らしかったことだろうか。この非常に魅力的なレイモンド・ウェイル(同部門で優勝)もそう。私は至って真剣だ。下の写真は、この時計を正当に評価しているわけではないが、ケースと文字盤は非常によく考えられていて完成度が高く、チャレンジカテゴリでこの時計以外を考えるのは難しかった。
ウブロは、日本人アーティストの村上 隆氏とのコラボレーションによる新しいサファイアMP(これはマスターピースの略。正直に言うと、この言葉を先週末に知ったばかりだ。私たちは日々学習している)を発表した。完全に透明な花の形をしていて、厳密にいうと文字盤はない。スマイルフェイスのなかに鎮座するフライングトゥールビヨンだけがあり、そこから小さな針が突き出ていて、目を凝らすとインデックスが見えるようになっている。この時点で、この時計は時間を確認することが重要でないことは、誰もが理解したと思う。
技術的なスペックを分析する前に、村上氏が時代の流れに与えた影響を考察してみよう。というのも、これほど活躍の場が広い人が、ウブロスーパーコピー時計のデザインを手がけることはめったにないからだ。実際、スウォッチとG-SHOCKのライセンス契約を除いて、これは現存するアート × 時計のコラボレーションのなかで最もバリエーションが多いモデルだ。ほかに例があるだろうか? ぜひ私に挑戦してみて。
村上氏はコラボレーションに飛びつくのが好きなタイプのように見えるかもしれないが、彼は文字どおり現代ファッションのコラボレーションの祖だ。ヴァージル(・アブロー)が話題になるずっと前から、彼は一般消費者とファインアート、ハイファッション、ストリートウェアの橋渡しをしていた。
村上氏による“スーパーフラット”(ここで美術史の授業をする暇はない)なポップアートは、現代の視覚文化に浸透し、MoMaのギフトショップの枕にまでなった。これはマーク・ジェイコブス氏が村上氏に、ルイ・ヴィトンのミックスメディアプリント(マルチカラーのムラカミスピーディ万歳!)を依頼してからずっとあとのことである。カニエ・ウェストのアルバムアートから、2021年のメットガラでキッド・カディが身につけたベン・バラーのダイヤモンドセットチェーン、シュプリームのボックスロゴコラボレーションまで、村上氏はすべてを手がけてきた。彼の商業主義に対する本能を責めることはできないが、彼のアプローチはステッカー、枕、シャツから始まり、1500万ドル(日本円で約22億7580万円)もの彫刻に至るまで、ユニークで民主的なものだ。本当に、誰でも村上氏の作品を持ち帰ることができるのだ。
時計の話に戻ろう。Only Watchを含めると、これは村上氏がウブロのために手掛けた5本目の作品である 。
文字盤がない、いや、文字盤はあるがコンセプチュアルなものだ。時計の中央に配置される文字盤の代わりに、上部ブリッジのないフライングトゥールビヨンがデザインされている(ウブロで初めて連続生産されたセンターフライングトゥールビヨン)。そのトゥールビヨンは12枚の花びらで囲まれており、そのすべてが透明なサファイアでできているため、本質的にはスケルトンウォッチである。このMP-15は、輝度を最大限に引き出すためにサファイアケース、サファイアケースバック、サファイアリューズ、半透明の見返しリングおよびストラップを採用。村上氏は“モノクロだけど、色の制限はない”と言っていた。ポイントは、光が結晶をとおして屈折し、虹を作り出すという完璧なまでの透明度にある。
MP15 watch
このセンターフライングトゥールビヨンは約150時間のパワーリザーブを備えているが、これは純粋にタイプミスだと思っていた。ではこれはどうして実現したか? ウブロは巻き上げをサポートするために、充電可能なスタイラスを製作。これをリューズにセットすることで、センタートゥールビヨンを駆動する両方の香箱が完全に巻き上がるまでに100回転することを可能にしたのだ(普通の人間が指でこれだけの回転をかける労力は、想像に難くないだろう!)。
このクリアサファイアケースは50本の世界限定生産で、4367万円(税込)で販売される。
我々の考え
これを実際に見たことがあるのだが、完璧に近いと感じた。望むのであれば私やウブロを叩いてもいいが、今日も私は肯定的な意見にしがみつく。この時計は私のためのものではないが、私が時計のデザインに何度も求めているもの、つまり現代的なアプローチを満たしている。何でもかんでもヴィンテージの復刻版のようにはなりたくないのだ。いずれにしても、ウブロがそのためにあるのでないことは確かだ。
MP-15はセクシーなシルエットとポップな魅力を併せ持っている。これを達成するのは非常に難しいことだと認識しよう。徹底的にモダンだが、つけこなせる。それと同じように、私はしばしばRM(リシャール・ミル)にありがちな、時計デザインの枠を超えた発想を称賛している。それらは私たちに疑問を抱かせるほど先進的なのだ。私はウブロを熱心に崇拝しているわけではないが、RMが私を突き動かすのと同じように、自分が時計に何を求めているのかを問うようにウブロは問いかけてくる。私はいつも正統な華やかさを求めているわけではないし、すべてがクラシカルなデザインに包まれた複雑な過去へのオマージュである必要もない。伝統の重要性を誇張しすぎると、テクノロジーの皮肉の餌食になりやすいのだ。
パーペチュアルカレンダーは、スパイスのなかで最も愛されているバニラのように、美しく古典的でありながら最も退屈なものでもある。好みの二面性だ。どっちも好きでいい! またはどちらもナシか。どうすべきかは言えない。ここで私はAPのコンセプトモデルとスマイリーRMについて考えている。テクノロジーが物理的な領域への依存を減らしている今、これらのブランドが伝統的な時刻表示機能の外に出て行こうとしているのは偶然ではない。念のために言っておくが、私がこれを身につけるとは言わないが村上氏がこれをつけるのを想像してもいいし、リル・ウージーがこれを身につけるのを想像してもいいし、ファレル(・ウィリアムス)がこれを身につけるのを想像してもいい。どうかもう1度考えてみて欲しい。
Murakami wearing MP15
この時計は宇宙船には見えないし、現代的なデザインを満足させる必要もない。それは彫刻的であり、冗談のようであり、花の形をしているが、ほとんど無定形だ。透明だが、光が屈折する。いろいろなことが起きている。私は村上氏自身が、この作品を独立したものとして完全に受け止めている印象を受けた。いままでのコラボレーションのときよりもはるかに。
私からのアドバイスは、1歩下がって、感情の熱に飲み込まれすぎないようにすること。誰かが変革の担い手となって、十分に水を満たさなければならないのだ!
CLOSE UP
基本情報
ブランド: ウブロ(Hublot)
モデル名: MP-15 タカシムラカミ トゥールビヨン サファイア(MP-15 Takashi Murakami Tourbillon Sapphire)
型番: 915.JX.4802.RT
直径: 42mm
厚さ: 13.4mm
ケース素材: ポリッシュ仕上げのサファイアクリスタル
文字盤: ポリッシュ仕上げの透明コンポジットレジン
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: 装飾付き透明ラバーストラップ、サファイアクリスタルとチタニウム製フォールディングバックル
ムーブメント情報
キャリバー: HUB9015
機能: 時・分、フライングトゥールビヨン
パワーリザーブ: 約150時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 25
価格 & 発売時期
価格: 4367万円(税込)
発売時期: ウブロブティックで販売
限定: あり、世界限定50本
150mの防水性能を備えたその時計は、1966年から4回にわたって南極地域観測隊の装備品として寄贈され、以降は多くの冒険家、探検家の手首の上で過酷な環境を渡り歩いてきた。その後もセイコーはダイバーズウォッチへの注力を続け、1970年の通称“植村ダイバー”、1978年の世界初クォーツ式飽和潜水仕様の600m防水ダイバーズなどが続き、1990年にはダイブコンピューター内蔵のモデルも登場し、海上自衛隊による1992年の掃海部隊のペルシャ湾での機雷掃海に使用された。
しかし2000年代以降は、スプリングドライブの搭載やセイコースポーツの頂点となるLXライン化もあり、セイコーダイバーズはリアルなプロツールというよりも時計愛好家に愛される存在になっていく。そして2017年、時計業界が復刻ブームに湧くなかで発表されたファーストダイバーズの復刻モデルであるSBDX019が爆発的なヒットを飛ばし、セイコーダイバーズ、特に1965 メカニカルダイバーズ復刻デザイン、スーパーコピー1965 メカニカルダイバーズ 現代デザインにラインナップされるモデルは熱い注目を浴びるようになった。
1965 メカニカルダイバーズ オリジナルモデル
今回レギュラーモデルとしてリリースされたSBEN007も、1965 メカニカルダイバーズ 現代デザインに連なる1本である。太さの異なる直線を組み合わせることで、打ち寄せる波をダイヤル上で幾何学的に表現した新作だ。ほかの1965 メカニカルダイバーズ 現代デザインの例に漏れず、ずんぐりとした角型インデックスに、短めの貫通ラグ、ボックス型のガラス(オリジナルはアクリスガラス)とオリジナルのデザインコードはしっかりと踏襲されている。
だが、SBEN007はセイコーダイバーズのなかでも外装の造形や仕上げにこだわった新ライン「マリンマスター」に属するモデルだ。よくよく比較を行うと、逆回転防止ベゼルの刻みは深く立体的になっており、ケースには鏡面とヘアラインによる磨き分けが施されていることがわかる。ブレスも従来の3連から中ゴマを3分割した5連に変更され、コマの裏表両面を曲面とすることでしなやかな着用感と高級感を生み出している。
ムーブメントには2023年8月発売のSBEN003にも搭載されていたCal.6L37を搭載した。これはダイバーズウォッチ用にセイコーが開発した、薄型かつ高い耐衝撃性を有するムーブメントだ。2万8800振動/時で駆動し、45時間のパワーリザーブを備えている。
そして驚くべきことに、今作では同ムーブメントの姿をシースルーバックから確認することができる。セイコーダイバーズの象徴である波のロゴはガラスの表面にプリントで施され、その背後には美しい波状の筋模様が施されたCal.6L37の姿が見える。従来のセイコーダイバーズはソリッドバックが基本だったが、これもまた“見るたびの高揚”や“所有することの喜び”を追求しているというマリンマスターゆえのディテールかもしれない。
同タイミングで、セイコーブランドの100周年を記念した同型色違いの限定モデルも登場する。レギュラーモデルのSBEN007がライトブルーのダイヤルにブルーのベゼル表示板を組み合わせていたのに対し、限定モデルであるSBEN005はシルバーホワイトダイヤルにシルバーベゼルをセットしている。色数が減った分、こちらのほうがケースやベゼル、ダイヤルの造形が際立っている印象だ。
価格はSBEN005、SBEN007ともに変わらず、42万9000円(税込)で設定されている。防水性能は200mで、サイズはともに直径39.5mm、厚さは12.3mmだ。今年の12月8日(金)にセイコーフラッグシップサロン、セイコードリームスクエア、セイコーオンラインストアおよびセイコーブティックにて先行発売され、2024年の1月12日(金)にセイコーウオッチサロンで取り扱いが開始される。
ファースト・インプレッション
これまでセイコー プロスペックスのダイバーズカテゴリは、ダイバーズウォッチとしての技術の粋を集めたマリンマスター プロフェッショナル、機能性と日常使いのバランスが取れたダイバースキューバ(そして一部LXライン)に分類されてきた。どちらもダイバーズとして実用的で、ツールウォッチとしての印象が強いものだったが、SBEN005、SBEN007が属するマリンマスターではそこに美観が重要なファクターとして加えられている。
ケース側面からラグの先端まで施された面取りは既存モデルよりカットが深く、鏡面が強調されたことで洗練された印象を受ける。また、秒針の先の夜光部分が通常よりやや細く長くなり、時分針のカウンターウェイト(インデックスを指し示している側とは反対、といえば伝わるだろうか)がなくなったことで、全体としてシャープに見えるような調整がなされた。多連構造になったブレスやシースルーバックの採用もあり、セイコーダイバーズの持つ無骨なツール感が抑えられ、鑑賞を目的とする高級機然とした華やかさがプラスされている。これまでのセイコー プロスペックスとは、アプローチの方向が明確に変わったように思う。
最初にマリンマスターをリリースで目にしたときは4時半位置のデイト窓に違和感があったものだが、そもそものコンセプトから異なるというなら納得もいく。小さな丸窓になったことで日付の判読性は落ちたが、その分ダイヤル全体で端正にまとまった。特にSBEN005(限定モデル)はダイヤルの色が日付のディスクに近いため、デイトの小型化は一層効果的だ。ぱっと見では、そこにあることすら気がつかないかもしれない。そういった意味では、SBEN005の方がマリンマスターの狙いをより強く体現していると言えるだろう。
ケース、ブレスと手の込んだ作りになっているにも関わらず、同じムーブメントを搭載したSBEN003と大きく価格が変わらないというのは、個人的にありがたい(しかもSBEN003はシリコンバンドだ)。同じプライスレンジで、オリジナルのツール感を忠実に再現した1965 メカニカルダイバーズ復刻デザインと、マリンマスターとしてエレガントにリデザインされた1965 メカニカルダイバーズ 現代デザインを比較、検討することができるのだ。同じ時計を原点に持ちながらも従来とはまったく異なる方向性を示したSBEN007、SBEN005は、まもなく60周年を迎えるセイコーダイバーズの新たな可能性を切り拓くものだ。機会があればぜひ直接手首に乗せて、その印象の違いを確認したい。